可除環
可除環(かじょかん、英: division ring)、または斜体(しゃたい、英: skew field)とは、任意の0でない元が可逆元であるような環のことである。
定義[編集 | ソースを編集]
環 $D$ が可除環であるとは、任意の元 $0 \neq x \in D$ に対して、ある元 $y \in D$ が存在し、$x y = y x = 1$ が満たされるときをいう。可換な可除環は体のことである。
同値な定義[編集 | ソースを編集]
次の特徴づけが有名である。
命題
環 $D$ について次は同値。
- $D$ は可除環。
- $D$ は局所環であり、$\rad D = 0$ である。
- $0$ が $D$ の極大右イデアルである。
- $0$ が $D$ の極大左イデアルである。
- $D_D$ は単純右 $D$ 加群である。
- $_D D$ は単純左 $D$ 加群である。
注意[編集 | ソースを編集]
可除環であるという性質は森田同値で不変ではない。実際、$D$ を可除環とすると、2次全行列環 $M_2(D)$ は加除環ではない。