平坦加群

定義

定義

環 $\Lambda$ 上の左加群 $M$ が平坦的（平坦加群）であるとは、次の条件をみたすときを言う：

• 任意の右 $\Lambda$ 加群の単射準同型 $f \colon X \hookrightarrow Y$ があったとき、 $f\otimes M$ も単射となる。

同値な定義

命題

環 $\Lambda$ 上の左加群 $M$ について以下は同値。

1. $M$ は平坦加群である。
2. 右 $\Lambda$ 加群 $\mathrm{Hom}_{\mathbb{Z}}(M,\mathbb{Q}/\mathbb{Z})$ は移入加群である。
3. 任意の $\Lambda$ の右イデアル $I$ に対し $I\otimes M \to \Lambda\otimes M$ も単射となる。
4. 任意の $\Lambda$ の有限生成右イデアル $I$ に対し $I\otimes M \to \Lambda\otimes M$ も単射となる。

性質

自由加群は平坦加群である。 平坦加群の（無限）直和、直和因子はまた平坦加群である。 アルティン環上の平坦加群は射影加群である。

また射影加群とは次のように関係する。

定理

環 $\Lambda$ 上の左加群 $M$ に対し次は同値。

1. $M$ は有限表示な平坦加群である。
2. $M$ は有限生成な射影加群である。